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鍼治療は、中国伝統医療の古典理論の根幹となっている「気・血」を調節して人間の自然治癒力を高めて病を癒すという東洋医学論です。 東洋療法は、病気で不調となった体に体表からハリをはじめとする物理的刺激(揉む・圧迫・運動・温熱など)を加えて、 血液等の循環を改善して、痛みやコリ感・疲労感・不快感等を緩和します。患者自身の自然治癒力(体調・体質の改善、 免疫力の増強)を高めることを治療の目的としています。

ツボとは体表の特定の部位に、体調が悪いときや病気があるときに表れる反応部位のことで、 伝統的には病の原因となる邪気の出入り口とも考えられてきました。それらツボが「経絡」と呼ばれる気血の通り道に 存在していることを知っている方も多いと思いますが、WHO(世界保健機関)による経穴部位国際標準化公式会議においては、 現在361穴とされています。

ツボには神経・血管が多く存在します。ツボと神経・血管・リンバ管との間には、密接な関係があります。

ツボに鍼を刺すと何が起きるのか?

鍼によって免疫力を高まる

鍼と免疫力

私たちの身体には外部のさまざまな異物が入ってきたとき、異物を異物として区別し、排除して内部環境を守るという仕組み(恒常性維持)が存在します。この自己を守るために自分でないものをはっきり区別し、それを身体から取り除く仕組みを"免疫″と呼んでいます。

リンバ球は免疫細胞の一種で、体外から侵入したウイルスや細菌と戦ったり、体内で発生したガン細胞を死滅させたりなど、免疫において重要な働きをしています。 鍼刺激によって、リンバ球が増えており、リンバ球の働きを活性化して、免疫機能の反応を高めていることが分かります。 それ以外にも体内のさまざまな仕組みが複雑に絡み合って免疫機能を増強していると考えられます。


自律神経系を整え、免疫力を向上させる

鍼と自律神経の調整

自律神経系は循環、呼吸、消化、発汗・体温調整、内分泌機能、生殖機能、および代謝のような不随意な機能を制御します。 生命活動の維持やその調節を行い、絶えず活動している神経である。交感神経は代謝、消化などの生命活動を活発にする働きをし、 副交感神経は交感神経とは全く逆の働きをします。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、 自律神経失調症となるとされています。症状としては、めまい、冷や汗がでる、体の一部が震える、 緊張するようなところではないのに脈が速くなる、血圧が激しく上下する、立ち眩みする、耳鳴りがする、吐き気、頭痛、 微熱、過呼吸といった身体症状から、人間不信、情緒不安定、不安感やイライラ、憂うつ気分など精神的な症状が現れることも多い。 ツボに鍼刺激によって、神経を介して脳へと信号が伝わり、脳内でいろんな神経伝達物質の分泌を促し、 自律神経系の調整を行われると考えています。


鍼が痛みに効くのはなぜか?

鍼と痛み

鍼の鎮痛作用については医学的な研究が比較的進んでいます。特に、原因がはっきりしないまま痛みが続くような慢性痛や、 ぎっくり腰のような急性痛の症状は鍼治療の得意分野です。痛みが右図のような仕組みでおこってきます。 特定な箇所に加えられた痛み刺激が脊椎を介して大脳へ到達し、その反応として交感神経が興奮して副腎髄質から アドレナリンというホルモンを分泌。そのアドレナリンが末梢血管を収縮させるので、血液循環は低下します。さらに、 痛みを覚えた個所の筋肉が反射的に緊張するために、その箇所の血液循環がさらに悪化するのです。 その結果、痛みの箇所は酸素が少なくなり、ブラジキニン・セロトニン・ヒスタミン・カリウムイオンなどの発痛物質が生じ、 そこで新たな痛みを引き起こします。その痛みは再び脊髄を介して大脳へ到達し、同様の経路で痛みを再生産することから、 これを痛みの悪循環と表現することができます。鍼や局部マッサージの刺激により、脊髄後角に伝わる痛みの信号を 閉ざす働きをして痛みを緩和されます。また、詳しいメカニズムについてはよく分かっていませんが、 鍼治療によって中脳や延髄で鎮痛作用の高いモルヒネに似た物質が生じ、それが脊髄後角に伝わる痛みの信号を閉ざす ということも言われています。


鍼と美容

鍼と美容

美しい肌とは、肌の表面が美しく潤い、弾力・張りがあり、透明感のある肌です。 皮膚の美しさの基本は血液・ リンバ循環です。肌の一番外側にある角層に適度な水分があることも大事なことですが、肌の弾力やみずみずしさは もう一段深いところにある真皮の保水力で決まります。肌表面から水分を与えても、真皮にまでは届きません。 化粧水やクリームが浸透するのは角層までだからです。皮膚の美しさに最も大事なもの、それは血液・リンバ循環です。 血液・リンバ循環によって、肌に必要な栄養分は運ばれてきます。そして、たまった老廃物を運び去るのもこれらの循環です。 循環が良いことが肌の新陳代謝をスムーズにし、皮膚のハリと弾力を保ちます。

顔面のツボには血管・リンパ管・神経が豊富なので、鍼刺激により、血行を促進し、コラーゲンの生産を刺激することで、 しわが伸びたり、たるんだ肌やまぶたが引き締まったり、くすみの改善、セルライト対策にも効果があります。 美容と健康は直結しています。身体が不健康な状態で、肌が健康になれません。全身治療と組み合わせることで、 身体の体調を整え、バランスをとりながら、美顔鍼をすることで、美容効果がより一層表れてきます。


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